真夏の思い出

7月はアルプスやえでぃまあこんさんの
良い音源聴けてほんとに幸せ。
もったいなくてちょっとずつ聴いてる。

黒胡椒カレービーンズの夏「みんなが、うた」
関わってくれたみなさん感謝です。
とても良い夜になった気がします。



夏になると思い出すこと。

子どものころ、学研の「科学」と「学習」を
とっていた。

シーモンキー、知っていますか。
知らないね、きっと。


「学研のおばちゃん」という、個人販売委託制度?
みたいな売り方をしてたころ。
うちに売りに来るんじゃなくて、
なぜかおばさんちに取りに行くという
スタイルだった。

兄の名前でとっていたのだけど、当然私も
楽しみにしているわけで、
二人してそのおばさんの家にもらいに行く。
そしてなんでか、おばさんちには夏に行った記憶しかない。
いま考えるといろいろナゾすぎる。

外からみて販売店とわかるようなものはなく、
ただの普通の家だ。
それをコンコン、とたずねると
中から、色の白い太った
おばさんがドアをあける。
おばさんは玄関のひさしから外へは出ない。
私たちはまぶしい日ざしからいきなり暗い
玄関先へ入れられ、目の露出がうまくコントロールできずにいる。
目をぱちぱちさせながら待っていると、
おばさんが科学と学習を渡してくれる。

科学と学習をもらえるのはうれしかったけど、
私はすこしおばさんのうちに行くのが怖かった。


第一におばさんのうちは、ものすごく
変わったにおいがした。
いやなとか、くさいとかではなく、
なにか、とても特別な外国の石鹸のような。
かいだことのない匂い。
真夏のジリジリした太陽の中を、兄と私は
団地から矢川の方面へ10分ほど歩いて行き、
おばさんの家のドアがあくと、
ひんやりとした空気とあの匂いがする。
子どもの私にとってあそこに行くのは
ちょっとした冒険だった。


第二におばさんは肌が白く、というか全身に色が
なかった。髪の毛やまつげにさえ。
そのうちの息子はふつうの肌色だったけど
おばさんは白かった。
すべてが脱色されたかのようだった。
その当時は私は小1か2だったのに、
兄にもなんとなく遠慮してそのことは聞けなかった。
私はおばさんのことをなぜだか、「水につかりすぎて
ふやけた人」なのだと思い込んだ。
そう思うしか理解のしようがなかったのかしら。

私の中で「全身の色の白い人」と「ひんやりしたうちの匂い」は
むすびついてしまい、今でもその匂いを思い出せる。


そのおばさんがアルビノだったということが
わかったのは、自分が大人になってからだった。
いろいろ、合点がいった。
日ざしの下に出るのは体によくなかったのかもしれない。
訪問販売をしないのはそういう理由だったのかもしれない。
というか学研がどういう方針で販売させていたのかも不明。

という夏の思い出。
まだ、あの家はあそこにあるのかしら。

かつて日本の子どもには、進●ゼミではなく、科学と学習があったのだ。
個人情報が、安いどころか大した価値さえもたなかった時代の話です。


ライブは8月は三鷹おんがくのじかん。
9月は小岩と下北沢。
ライブ情報ご覧下さい。よろしくお願いします。



CDR「楊枝と椀」は、現在ライブ会場でしか売っていませんが、
下記2店舗でのみ取り扱っていただいています。
残りわずかです。

●東京
武蔵小山ペット・サウンズ・レコード
http://www.petsounds.co.jp/index.html
ペット・サウンズ・レコードの通販
http://www.petsounds.co.jp/orderindies.html


●大阪
HOPKEN
http://hopken.com/

楊枝と椀(¥1,000)
6曲入り
1.Lタワー 2.愛は大きな 3.I Love You 4.祭りの音 5.はなしたくない 6.Talisman
コントラバス服部将典(NRQ)